《MUMEI》 【番外編】「帰国したらハリーに行こうって言われちゃった!!」 私の目の前にいる愛加は、別人のようにキャッキャッとはしゃいでいる。 「ハリー?ハリーポッターのこと??」 「千夏ったらやだっ!ハリーウィンストンよ!!」 「あぁ…そのハリーね」 ん…? えっ? ハリーウィンストン? 「それって…」 私が聞く前に愛加は嬉しそうに言う。 「やっぱこれってプロポーズだよね?」 プロポーズ!? 「え…だって、この間付き合いだしたばっかりじゃないの??」 しかも私、その話さっき聞いたばっかりだしっ!? 「そうだけど、でも私たちって運命ってゆーか…」 う、うんめい… まさか愛加の口からそんな言葉が出てくるなんて… 「こういうのって期間じゃないと思うのよ!!」 そうかもしれないけど… 「ほら美幸だって電撃だっじゃない!!」 ちょっと違うと思う… 「で、愛加は佐久間さんと結婚したいの?」 私の質問に愛加は顔を真っ赤にして頷いた。 「いつもの時間より数十分遅れて電話があるだけで、すごく不安になるの…だから早く一緒になりたいの」 へぇ…なんか意外。 「愛加も普通の女になっちゃったのね…」 私は小さく呟く。 「えっ?何?ごめん聞こえなかった」 「いいのいいの。たいしたことじゃないから」 「あ、そう。……あっ!それで佐久間さんたら……」 前へ |
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