《MUMEI》

自分の呼吸が不規則で、体に力が入っていることに。

「はい、吸って」


息を大きく吸う。


「はい、吐く」


言われた通り、ゆっくり吐いてみた。


同時に、力が抜ける。


その隙を見逃さず、俊彦はグッと腰を進めた。


「アッ!」


思わず声が大きくなった。

「これで、半分」


(これで?)


驚く私に、俊彦は『大丈夫だよ』と言いながら、少しずつ進み続けた。


そして、とうとう…


「これで、全部。…痛い?」


「ちょっと…でも、…大丈夫。
優しくしてくれて、ありがとう」


私は俊彦の両頬を包んで、唇を重ねた。


「いや、あの、ね?」


俊彦は、気まずそうに言った。


「動いていい?」


ーと。


私は、正直今の状態で痛かったのだが、


「ゆっくりなら」


と答えた。


俊彦は、最初は本当にゆっくりだったが…


「も…無理っ…」


「もうちょっと…」


次第に腰の動きが早くなり、ベットがギシギシきしんだ。


「壊れ、ちゃう…よぅっ」

「大丈…夫……もうっ…」

そして、ようやく俊彦が達した時。


私は、あまりの激しさから、気を失っていた。

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