《MUMEI》
勇気は無くとも上
サトシは、セイントと対話した。
それは、まるである小粋なバーでのひと時のような、温かな素敵な時間だった。


そこでサトシはセイントの粋な性格に惚れこみ、彼のイシブミを母に届けることを約束した。

サトシ「母はどこにいるの?」
セイント「千葉におるんよ。」

サトシはセイントと固い握手をし、セイントが彫った深い深い穴をよじり登った。


ふと、こんなことを思いながら。野に咲く花と、海辺に咲く花なら僕はどちらを選ぶだろうか。
僕の右手には、手袋がある。そして左手にも。
この手は沢山の選択肢からずっと一つを選んできた。
時には勝利し、時には惜敗し、僕はそうやって生きてきた。
そんな僕は、美しい花を選ぶのにこんなにも惑うのだ。

情けないが、いたしかたが無いconsider。

そうだ、野に咲く花を僕がとり、海辺の花をセイントに渡せばいいんだ。

サトシは目を見開いた。

サトシ「さらば、セイント。友とはそういうものだ。」
セイント「さようなら。」

サトシが穴から這い上がると、セイントはまた、地を掘り進めた。

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