《MUMEI》 魔法火曜日。 今日はヤマが来ない。 まぁしょうがないか。 久々地元帰って来てハンド三昧ってのも可哀想だし。 「お〜っす。」 「おはようございま〜す。」 「あ。今日は連絡あんのよ。」 「なんすか?」 「木曜日練習試合。」 「どことですか?」 「聖龍高校。」 「は!?無理でしょ!?」 わかってんじゃん。 つ〜か言葉使い気を付けろ。 「わかってっから。でももう決めちゃったからしょうがない。」 「聖龍って…」 ぶつぶつ文句言ってる。 「はい。うるさ〜い。練習始めるよ〜。」 …てか翔太は? 携帯を見る。 『すいません…寝坊です。』 あいつ… 「クロさん。」 「何?」 椎名だ。 こいつ突っかかってくんな。 「聖龍って大会5連覇してるとこですよね?」 「そう。」 「試合になんないと思うんですけど。」 「そんなのわかってるよ。」 「じゃあ何で?」 「他に相手いないから。」 「それだけですか?」 「それだけです。」 「…」 「早くランニング始めろ。」 「…はい。」 渋々走り出す。 テンションが下がってるせいか元気がない。 「声出せ〜。」 という僕の声も小さい。 これは皮肉。 「赤高〜!!」 キレた感じで声を出す。 まぁ声が出れば理由なんてどうでもいい。 前へ |次へ |
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