《MUMEI》

かろうじて、まだ僅かながらに光と熱を残す蛍光灯が、微かに人物を判別するだけの明るさを灯していた。

「いかん! 予備電源切り換え! まだか!?」

「切り換えます!! 3、2、1……完了で………ッ!?」

電源が行き渡り、再びコンピューターに命が宿る。
「そんな………そんな馬鹿な!!」

彼らが目にした光景は、世界屈指のセキュリティを持つスーパーコンピューターから、おそらく転送されて、すべてのデータを削除されたその残骸だけが警告として表わされた画面。

そして各々が浮かべる絶望的な表情のみであった。

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