《MUMEI》
朝風呂
翌朝目覚めた私は、スポーツジムの時のように、太ももの筋肉痛に襲われていた。


太ももだけでなく、体全体がダルかった。


(…とりあえず、お風呂、入ろう)


私は隣で眠る俊彦を起こさないように、そっとベットから抜け出した。


私達以外は誰もいないのはわかっていたが、それでも私は昨日脱いだ下着と洋服を身につけ、風呂場に向かった。


本当は湯船に入りたいところだが、とりあえず、熱めのシャワーで済ませる事にした。


(本当に、しちゃったんだよね、私…)


その証拠は体中に残っていた。


私は、ボーッとしながらシャワーを浴びていた。


だから…


「一人で行くなんて、酷いよ」


後ろにいつの間にか俊彦がいる事に気付かなかった。

私は慌ててシャワーを止めた。


「昨夜は、ごめんね。…怒った?」


私は首を横に振った。


「じゃあ、何でこっち見ないの?」


私は壁の方を向いて、俊彦に背を向けていた。


「…恥ずかしいから」


私は未だに自分の裸を見られるのも、俊彦の裸を見るのも抵抗があった。


「今更、だろ?」


「アッ…」


俊彦が、うなじに唇を当てながら、私の太ももに触れた。

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