《MUMEI》

「どうしよう、蝶子」


「な、何が?」


「『これ』」


俊彦が私の背中に固いものを当ててきた。


「また、…したいんだけど」


「えぇ?」


(昨夜したのに?)


私は驚いて、言葉が出なかった。


「…ダメ?」


「ここ、狭いよ?」


風呂場は、一般的な広さだが、横になれるようなスペースは無かった。


「…大丈夫」


「ひゃっ?」


俊彦が突然私の中に指を入れてきた。


そして、『そのまま壁に手をついて』と囁いた。


言われる前に私は、既に手をついていた。


俊彦が指を動かすから、そうしなければ、立っていられなかった。


「ヤッ…ンッ…朝から…こんな」


「関係無いよ。いつだって」


「イッ…」


「まだ、…痛いの?」


俊彦が私の腰を支えながら訊いてきた。


「だっ…いっぱい…」


「うん。全部入った。すぐに」


私はカッと体が熱くなるのを感じた。


「ねぇ…」


そして、俊彦は空いた手で私の胸を揉みながら、昨夜と同じ質問をした。


『動いていい?』


ーと。


言いながら、俊彦の腰は既に動いていた。


後ろから打ち付けてくる激しい音が風呂場に響いた。

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