《MUMEI》 洗濯が終わると8時を過ぎていた。 食堂に行き、朝食を食べる。 食堂を出ると、フロントに鍵を預けようとすると、フロントのお姉さんが「おはようございます。お出掛けですか?こちらをお使い下さい。」と傘を差し出した。 「あっ、おはようございます。すみませんお借りします。」 そう言って受け取った。 大通りを渡りコンビニに入りバイク雑誌を探すが、置いて無い様だ。 辺りを見渡すと四国のドライブマップに目がとまった。 手に取ると、分かりやすい地図と、絶景ポイントが載ってある。 今日は走れないので、これで時間を潰せる。お気に入りのコーヒーと一緒に支払いを済ませホテルに戻る。 「ありがとうございました。」 そう言って傘を返すと 「お帰りなさいませ」と言って鍵を渡してくれる。 営業スマイルとはいえ、独り旅の俺には充分過ぎる癒し効果だ。 部屋に戻ると、途端にエリカに会いたくなった。 俺は、ソファーに座りコーヒーを飲みながらエリカと出会った時の事を思い出していた。 前へ |次へ |
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