《MUMEI》
瞑想
その恋の始まりは少女本人も知らぬ間に訪れていた。


『…好きになった。』


わけではなかった。

いつの間にか、

好きになっていた。


だから、止めようがなかった。


始まての恋に、


高鳴る鼓動に


すべては支配されているようで、


あの時の少女の身体は

まるで少女自身の身体ではないようで、


すべては、彼の為に動いていた。


空回りや遠回り、


嫉妬や欲、


知らなかった自分の身の内。


そう、あれが訪れたのは 


少女が高校2年の時だった。



0、瞑想



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