《MUMEI》

◇◆◇

 暫し転た寝をしていた咲弥は、目を開けるなり黒蝶に声をかけられた。

「ほら、見てみろよ」

「‥?」

 見ると、辺りが一面、白銀に染まっているではないか。

「───────」

 陽の光に煌めくそれは、夢の中の風景の如く咲弥には思えた。

「綺麗‥」

 傍らでは、そんな彼女の姿を見、黒蝶が嬉しそうに微笑を浮かべている。

◇◆◇

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