《MUMEI》 「わ…」 「「あ、蝶子ちゃん!おはよう」」 「おはよう」 私は、双子に挨拶しながら すっかりクリスマスモードになった 『クローバー』のホールを見回した。 「「あれ、二人でやったの!」」 双子が指差した入口近くには、私の腰の高さほどのクリスマスツリーが置いてあり、可愛いらしく飾り付けがしてあった。 『クローバー』のシンボル的なくまのぬいぐるみも、サンタクロースの服を着ていた。 それから、テーブルクロスは緑に、椅子のクッションは赤になっていた。 よく見ると、壁に貼られた写真は、イルミネーションの輝く商店街の町並みや、駅前になっていた。 「…咲子さんは?」 「「『皆』と外にいるよ!」」 双子が、言うと… 『やっと終わったわ』という咲子さんを先頭に、『クローバー』のイルミネーションの飾り付けを終えた 『シューズクラブ』の四人が、店内に入ってきた。 「おはよう」 「…おはよう」 笑顔の俊彦に、私は赤くなりながら挨拶した。 「毎年、手伝ってもらってるの。 今年は、皆休日だめみたいだから、今朝来てもらったの」 「そ、そう、ですか…」 前へ |次へ |
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