《MUMEI》

和馬が言うと、孝太が頷いた。


「何それ!」


「…大変だね、兄貴」


「そうなんだよ。これからもっと育ててく予定なのに」


「ちょっと!」


私の言葉を無視して、男性陣は盛り上がっていた。


「まぁまぁ、ところで、クリスマス、またうちでパーティーやるんでしょ?」


「多分。瞳から近いうちに連絡来ると思います」


咲子さんの言葉に、俊彦が答えた。


「俺としては、蝶子と二人が…」


俊彦の言葉に、俊彦以外の全員が『無理』と答えた。

「そ〜んな〜!」


「蝶子ちゃんがいないと困るから」


咲子さんはきっぱり言った。


「結子さん、絶対出るって言ってたし」


「琴子も、あれで賑やかなイベント好きだからなあ」

雅彦も和馬も、恋人に逆らえなくて、仕方なく参加するような口調だった。


「来なかったら、丸坊主にするって麗子に脅された」

孝太の言葉は、冗談には聞こえなかった。


「蝶子〜」


「俊彦の好きな物、作って待ってるから…ね?」


「行く!」


その時。


私と俊彦以外の皆が、声を揃えて言った。


「操ってるな…」


ーと。


もちろん、私は必死で否定した。

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