《MUMEI》
操られているのは…
(だって…)


「蝶子?…何考えてるの?

…ダメだよ?」


「ンッ…ハァ…ンッ…」


俊彦が激しく下から突き上げてくるから、私は堪らず声を上げた。


そして、俊彦に絡み付いている腕と足に、力を込めた。


「そう…そうやって、俺だけ、感じてな?」


「重いっ…でしょうっ…?…も、やめ…よっ…?」


私の両足は床についていなかった。


火曜日の夜になると、当たり前のように私は俊彦の所に行く。


二人で夕食を済ませて、二人で片付けて、二人で風呂に入る。


そこで、待ちきれないように、俊彦は私を求めてくるのだ。


『後ろからじゃ、顔が見えない』


そう言って、俊彦は、今日は私に前を…自分の方を向くよう要求した。


『可愛いから、大丈夫だから』


そう甘く囁かれると、私は俊彦に逆らえなくなってしまう。


『ヤッ…ア…お願い…待って…ッ』


『そんな可愛い声で言われたら…

余計止まらないよ?』


俊彦は楽しそうだった。


そして、俊彦は私を壁に押し付け、足を抱え上げると、グッと腰を進め、私と繋がったのだ。


そして今、私の体は、俊彦と繋がったまま壁から離れ、俊彦に必死でしがみついていた。

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