《MUMEI》
「――――っ!……
ハァ、ハァ……」
妄想オナニー…
――ひじりちゃん水着バージョンで3Rめ終了。
ティッシュで股間拭いて腕で額の汗をそっと拭う。
――俺は中学二年の時上京してきた。
転校初日に可愛い同級生にラブホに誘われて童貞を捨てて以来オナニーは殆どした事がなかった。
それは何故だか次々と女が寄ってきたから。
中には付き合った子もいたが
(付き合ってって言われたから付き合っただけで恋愛感情はなし)、俺の性欲の強さに恐れをなし、がに股になって逃げられてしまった。
――やはりヤりたい盛り、女はどいつもこいつも(穴)にしか見えない。
だから俺が妄想してまで三回も抜くなんて絶対にあり得ねー事。
なのに!
……ひじりちゃん…
―――…
………―――!!
「―――!!マジかよ」
――聖の事が一瞬脳裏を霞めた途端中心がムクムクと勃ち上がりだした!
「俺!!俺おかしい!!」
♪♪♪♪♪♪♪
そう叫んだ瞬間宅電が鳴り響きだした。
俺は下半身剥き出しのまま慌てて受話器を上げる。
『貢君?私』
「―――姉さんか」
――あーびっくりした…
何か知んないけど聖からだと思った。
『どうしたの?何かしてたの?』
まさかズリセンこいてましたなんて言える筈もなく
「――いや、トイレに入ってて」
『そうだったの?タイミング悪くてゴメンなさいね』
「い、いや丁度出たとこだったから…」
ちょっと罪悪感を感じながら俺はフォローした。
「それよりどうしたの?」
『あ、そうそう忘れるところだったわ!明日旦那の実家にお中元届けて欲しいのよ、こっちから送るのも送料とか大変じゃない、頼まれてくれないかな〜』
居候の身で断る訳にもいかず…
「――わかった、明日行って来るよ」
『有り難う!定番だけど一万円のハムの詰め合わせにしてね!毎年それにして喜ばれてんのよ。あと2時から義母様習い事だからその前までに行って来てね!』
「…分かったよ、確り責務は果たしてくるから心配しないで」
頼んだよって言って姉さんは電話を切った。
――明日…ハム買って渋谷のその家に行って……―――――
―――
―――夕方から塾か
――写真、明日は撮りに行けそうにないな。
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