《MUMEI》

そして、いつもの長いキスの後、私達はお互いの服を脱がし合い、一つに重なった。


私はその間、俊彦の胸元で揺れ動く指輪を見上げていた。


「愛してるよ…」


「…私も」


考えてみれば、付き合い始めてから、お互いの想いをこんなに素直に伝えあったのは、初めてだったと思う。


そのせいか、俊彦の動きはいつにも増して激しくなり、私もそれに応えようと、自然と腰を動かしていた。

「ハァ…ッ…」


「アッ…ッ…俊…彦ッ…!」

私と俊彦は同時にビクンと大きく震えた。


その余韻と熱さはしばらく体に残っていた。


私は、俊彦の胸元に光る指輪が私の左手の薬指で光る日を夢見て…幸せな気持ちで眠りについた。


翌朝、私が『普通でごめん』と照れながら、手編みの手袋をプレゼントすると、俊彦は、笑いながら『じゃあ、その分、いっぱいしよう』と言って、私を抱き締めた。


結局、私達はクリスマスの日の一日の、半分以上はベットで過ごした。


すごく疲れて、恥ずかしい思いもたくさんしたけれど

同時に、すごく幸せで、俊彦の愛を感じた一日だった。

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