《MUMEI》 雑誌家に帰ってから買い物に出た。 いつもは学校帰りに行くんだけど、制服のままじゃ買えないかもしれない物があったから。 有理も珍しそうな目でオレを見送った。 「本当だ……」 見出しは『夏坂環(18)佐原旭(24)深夜のラブラブデート!夏坂、超人気国民的アイドル・春日有希(17)はお遊びか?』 ――お遊び? 確かにオレは学校に行くために仕事をとても減らした。 そのせいか最近芸能界に疎くなってる。 一体、いつからなんだろう。全然気付かなかった。どうして環さんは何にも言わないんだ? 「おかえりー、流理」 有理は流理を見ると、ぎょっとした。 「おっ…おいなんでイキナリ泣いてんだよっ」 「有理〜……どうしよう…。オレ環さんに好かれてないのかな」 「……は?好かれてるに決まってんだろ。何言ってんだよ」 「だって……」 流理はいきさつを有理に話した。 すると、有理は大爆笑した。涙が出る程笑っている。 「な…なんだよ!笑い事じゃないんだ!オレは本気で悩んでるんだ」 「本気で悩んでるんだったら本人に聞けよ。その方が早い」 「で…できないよ」 「んじゃオレがお前のフリしてかけてやるよ」 「いい!自分でやる」 有理はにぃっと笑った。 ――よし、やるぞ! 前へ |次へ |
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