《MUMEI》
――つい、来てしまった……。
今日は日曜日、もしかしたら朝から出かけるかも、もしかしたらその瞬間写真が取れるかもと考えたら居てもたってもいられず朝9時からここに来てしまった。
とりあえずコンビニでサンドイッチとアイスココアを買う。
店の横に置いてあるベンチに座り少し離れた玄関門をジッと見据えながら俺はサンドイッチをかじった。
――もしかしてまだ寝てるのかな?
――――。
…………
――今パジャマかな…
いや、Tシャツとトランクスとかかも…いや、俺はボクサーパンツであって欲しい。
それとも
――昨晩熱かったし
――――……
全裸かも……
全裸
全裸?
ぜんらあ〜〜〜!!
『カラダ熱いよぉ、早く抱いて?』
『もう聖ちゃんは淫乱なんだから、昨日何回したと思ってるんだい?水着になったりスケスケパンティ履いて8回もしたんだよ?』
『――いや!足りない!もっと抱いて!聖のオシリに貢の逞しいコレいっぱい挿れてっ!』
『しょうがない子だな、よし頑張っていっぱい可愛いがってあげよう』
『嬉しい!』
聖ちゃんは俺に全裸で抱きついてきた!
『聖!聖!』
「ひじりちゅああ〜〜んッッツツ!!」
「あら?聖のお友達?」
ガタンッ!!!
俺は勢いよくベンチから落ちた。
恐る恐る見上げるとごみ袋を持った、コンビニのユニフォームを纏ったおばさんが一人立っている。
「あら!大丈夫?」
「だ、大丈夫です、はい」
――思わず妄想にひたっていた。―――――はあ、びっくりした。
「聖なら部屋に居るわよ?もう起きてると思うから適当に上がってちょうだい?」
おばさんはそう言うとスタスタと店内に消えて行った。
―――――え?
――今のもしかして
聖ちゃんのお母様??
――似ていると言えば似てたかも……
―――――
…………
!!!!!!!
「おい!今家ん中に入れって言ってたよな!?」
…ゴクッ
思わず生唾を飲み込む……
―――全裸かも……
俺は門を開け玄関の前に立った。
立派な犬は番犬にも愛玩犬にもなる様子もなく俺を普通にスルーしている。
――適当に上がってちょうだいって事はだ、……いきなり入れって事だよな。
――ガチャ
―――俺はデかい玄関扉を開けた。
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