《MUMEI》

俊彦は、動きを止めて、私を見つめた。


「な、…に?」


「愛してるって…。『私も』じゃなくて」


「そんなの…」


言わなくてもわかっているはずだ。


「自信が欲しい。…明日の為に。

…お願い。

じゃないと、このまま、動いてやらないよ。

…終わらないよ。

どうする?」


「そんなぁ…」


私は両足を大きく開いた状態で、、膝と太ももは上半身にくっつきそうなほど、折れ曲がった恥ずかしい姿勢だった。


「ほら…言ってみな?」


俊彦は、そう言って私の胸の突起を舐めた。


「アッ…」


「あぁ、ごめんね。違う事しか言えないよね」


俊彦は笑いながら舌を離した。


「意地悪…」


「ちゃんと、言えるようにしたよ?」


「……る」


「聞こえないよ」


俊彦は、私の唇に、耳を近付けた。


「〜あい…て…る」


「まだ、聞こえない」


「愛してるっ」


「…俺も」


俊彦は唇を重ねると同時に、腰の動きも再開した。


「…ンッ…」


「可愛いッ…絶対…
絶対…認めてもらう…か、らッ」


「ンッ…ア…」


そして、やっと、長い長い一回が終わった。

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