《MUMEI》

花子は思いきり深く息を吸いこんだ――…。


―――…そして……



「いやぁああああアアァー!!カオリィッ!!!」――ガンガンガンガンッ!


花子は耳をつん裂くような金切り声を上げて、エスカレーターを駆け降りた…!


「カオリ!しっかりして!!」


鼻を抓みたくなるような三文芝居だったが、この緊迫した状況下では、誰も花子を疑うものは居なかった…。



花子がパニックを装って、カオリの身体を揺さぶり起こすと――…


…折れた首がダラリと痛々しく垂れ下がった…。


花子は、さりげなくカオリの首筋に触れて脈拍の有無を確かめると――…


…振り乱した髪に隠れて、醜悪な素顔を密かに微笑ませた――…。



=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫