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《MUMEI》 ｢……なんだ。そうか。 俺って、思ってたよりも兄貴のこと好きだったみたいだ。｣ 兄貴のこと、怖いとも思ったけどそれは俺の前からいなくなって寂しかったから、無意識に恐怖で紛らわせたんだ。 そりゃ、本当に怖かったりもしたけど兄貴は兄貴だ。 記憶の中では少なくとも俺は兄貴に大切にされてた。 ｢国雄は言うこと無いの？｣ 光は兄貴に目配せする。 ｢……幹祐、最悪な俺だけど今は真面目に生きてみたいと思えた。 また、お前の兄としていられるように。｣ 兄貴の真剣な目が、物語っている。 一発くらい殴ってやろうかなんて思ったけど……無理だ。 兄貴の目は綺麗だから。 前へ |次へ |
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