《MUMEI》 降り注ぐ悲しみが起きる前、 オレは永遠の日々を過ごしていた。 フリーター生活も長い。 それなりに充実感を得て、それなりに幸せを感じていた。 惰性的な幸福。 漠然とした平和。 意識していても、 多くの人達がそうである様に、 迫りくる危機感を無視し居心地の良い日常を無駄遣いしてきていた。 それは完全なる平和が意識を麻痺させていたから。 当然の事。 人は日常に慣れるから。 それでも、 年末に起きる悲惨なニュースを見ながら、何か鼓動が早まるのを感じていた。 不思議な事だ。 近い将来、自分に降り掛かる絶望を予感していた様だった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |