《MUMEI》

「え〜… 覚えて無いんですかぁ〜…」
少し悲しそうな顔で言うが、向こうは楽しんでいる様だ。

【ヤバい…誰や!?】
全く分からない俺は「俺と会った事ある?」

「ありますよ」

サービス業をしている俺は、かなりの人と出会ってきた。
言われてみれば知ってる様な気がしない事も無い。
「話した事ある」

「ありますよ」

「え〜…ヒントくれる?」

「ヒント?ヒントはねぇ…ん〜『犬』」

「『犬』!?」
さっぱり分からない。彼女の顔を、ジッと見つめると、彼女の顔が赤くなり、両手で顔を覆った。

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