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《MUMEI》 感情のオトシマエ、と小さく呟くと、店長はこくりと頷く。 「別に告白しろとかじゃねぇよ。お前みたいに自分の感情押さえんのも、近藤みたいに答えから逃げんのもひとつの選択だろうし？」 そこまで口出す筋合いじゃない、と店長は投げ捨てるように言った。突き放すような口調はお節介焼き加減が丸見えだ。 「好きにすりゃいいよ、な？」 口先だけの励ましも、無責任な甘い可能性を示すことも、それらが何の利益も生まないことを知っているんだろう。 妙な観察力と合理的な主観と不思議な包容力、つくづく大人だ、と思う。自分と比べてしまってさらに落ち込む。 前へ |次へ |
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