《MUMEI》 でも僕は病院に駆けつけた… 駆けつけずに居られなかったんだ… …富…名声…妻…親友…家族… ――…全てを失ってもいい… 彼女さえ……カオリちゃんさえ側にいてくれたなら… ――…それだけで十分だった… 僕は、閉じられたままのドアを見つめ続ける…。 ――…助けて下さい……! どうか――…彼女の命を奪わないで下さい……! そんな願いを天に祈りながら… 僕は診察室の前に呆然と立ちすくんだ―――…。 前へ |次へ |
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