貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い

《MUMEI》
大切な場所
ケータイが鳴る


杏奈からだ。

しぶしぶ待ち合わせの居酒屋へ行く。


久しぶりにみんなで集まっての飲み会。

大人になっていくに連れて、やっぱり女の方が変わっていく


ワイワイ騒いで
笑って
時間はあっと言う間に過ぎていく…


「じゃあねぇ〜」

一人一人帰って行く

「じゃあ…」

帰ろうとする志葉に


「ねぇ〜志葉、久しぶりだしさぁ〜もう一軒行こうよぉ〜」


疲れているのもあって、帰りたかったけど
ちょっと淋しそうな
杏奈の言葉に、行く事にした


少しフラフラつく足元


昔の事や
今の事を
話ながら歩く


杏奈は彼氏と上手く行ってないみたいで淋しそう…

キキーッ

スゴイ勢いで車がユータンして来た

「…!おい!志〜葉(笑)」

「…ん?」

暗くてあまり見えなかったので
杏奈と志葉は目を細め車の方を見る


(…んー?…げッ!直哉じゃん…)


「ねぇ杏奈、何か変な人じゃない?早く行こっ」


杏奈の手をつかんで早足で歩く

「…ちょっ、志葉?知り合いじゃないの?」


「ちがう」

と、首を振る


「…あっ、何で逃げるかなぁ〜…すぐ来るからちょっと待っててね」


直哉が車から下りて来た


「おい」

志葉の肩に手を置く

「…(ハァ)…」

直哉に今気付いたって顔で振り向いた

「…あっ、直哉くんかぁ(汗)どうしたの?」

「どうしたの?じゃないでしょ〜。愁荒れてたよォ(溜息)帰ってあげれば?…まぁアイツもさっ、悪いけど、マジで志葉の事大事に想ってんだよ。うんうん。なっ?帰ろ?」


「……分かった。明日愁の家行ってみるから」

「じゃあ約束ね。絶対行きなさい!(ニコッ)…じゃあ俺、人待たしてるから行くわ。じゃね」

小走りで大きく手を振りながら、車に乗って行った

志葉は溜息をついた

もう飲みに行く気になれず杏奈を家まで送った


一人テクテク歩いて行く

昔から、悲しい事、嬉しい事、辛い事。
何かあるたびココに来ている

ココは志葉の1番のお気に入りの場所。

他の誰も連れて来た事は無い


細くて背の高い木が沢山生えていて その中をしばらく歩くと 少し開けた所がある。

そこに横たわって見える景色

木々に囲まれ丸い空

こうして、ただ時間が流れに身も心も任せて
ボーっとしている時が志葉にとって幸せな時間だ


「…ハァ…気持ちイイ……いつになったら楽に生きられるんだろう……人間なんて最低……人間なんてやめたい……誰か助けてくれないかな……」


志葉が本当の気持ちを言えるのは、友達でも恋人でも無い

この場所だ


ここに初めて来た時からずっとそうだった…

いつも同じ事を繰り返し言い続けている

「誰か助けて…人間なんてうんざり…」


志葉はいつの間にか眠りについた……

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