《MUMEI》 死 神 の ゲ ー ム静寂に包まれていた空間に、目覚まし時計の掻き鳴らす音が、けたたましく鳴り響く。 「────ん」 ベッドの上で眠りに就いていた少年は、それによって睡眠を妨げられ、部屋に響く音とは対照的に静かに目を覚ました。 ゆったりとした動作で上半身を起こし、目覚ましの音を止める。 「…………?」 ふと、目に入ったのはその横に置いてある携帯電話。 どうやら、メールが届いているらしく着信を知らせる光の点滅が、サブディスプレイ上でチカチカと目立っていた。 (…………これにメールが来るはずはないんだが) 少年は、思い当たる節のないメールを不審に思いながらも、迷惑メールの類いだろうと半ば確信めいた気持ちを持って、携帯を手に取った。 受信トレイを開き、メールの内容を確かめる。 「…………何だ、これは」 思わず口をついて出たのは、怪訝に満ちた声だった。 届いていたのは、知らないアドレスからのメール、そして──。 次へ |
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