《MUMEI》
修羅場
――――その時……。



「――…ずいぶんな取り乱しようね?

…アナタ…普通、そこまでするぅ?」


不倫相手の死を人目も憚らず痛む僕に、妻の冷たい言葉が突き刺さる――…。



花子は、自分を裏切った亭主が体裁を守るために、『不倫相手の死』という痛みを必死に堪える姿を想像していた。


花子にとって、カオリの死を目の当たりにしたカツオが、自らの不倫を暴露するような狼狽ぶりを見せることなど、予想外の出来事だったのだ。


そして、その出来事は花子にとって、耐えがたい屈辱でもあった…。

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