《MUMEI》

―――…ヒソヒソヒソヒソ……


旧友らも密談の囁きと共に、容赦ない軽蔑の眼差しを僕に向けていた。



しかしこの時の僕には、そんな周囲の辛辣な声も、只の雑音にしか聞こえなかった。


僕はカオリちゃんの骸を抱きしめながら、肩を震わせるだけだった――…。





――――…その時…


「あっ!…中島ぁ…」


旧友の一人が叫んだ。



僕は、その名前にピクリと反応する…


泣き腫らした目で、ゆっくりと後ろを振り向いた――…。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫