《MUMEI》

「――俺実は用があって来たんだ」



「―――うん」



聖ちゃんは無垢な表情で俺を見ている。

――よし、頼もう!

「実は…」



ガリガリガリ!!



「ゴメン!」



聖ちゃんは立ち上がり扉を開けた。



「ニャア〜」




――恐らくこないだみかけたネコが入って来た。



そして聖ちゃんはネコを拾いあげ




「シェスター!おはよ〜う」



おもいっきりスリスリしてキスまではじめた!!


ネコも満更じゃない様子でゴロゴロ甘えている。



――クソネコ!!!



――何なんだよ、…異常にムカつく!!

俺はそんな気持ちを噛み殺しながらどうでも良いことを言った。



「――カルピス久し振りだけど美味しいね」


「そう、良かったな」




――まるっきり気のない言い方。



もうネコに集中していて俺なんか眼中にないって感じ。




苛々する感情をギリギリ抑えつつ何気なく壁時計を見る。


――もう11時か…




「――佐伯、日曜は自宅に居るんだ?」



「あ〜…。今日は特別、昨日居酒屋で飲んでさ、帰り遅かったからな、…結構飲んじゃって…」



――なに…昨日夜出かけてたのか!?
――――……昨日…
俺が妄想しながらオナニーしている間…



出かけてたのか??




――相手は男か?女か?



……どっちでもムカつく!!!聖は!聖ちゃんは





俺のモノだ!!!!



「で?用って何?」





――きがつけば聖ちゃんは俺の下で泣きじゃくっていた。




ネコはベッドに沈む俺達をソファから冷ややかに睨みつけている。


「ちょっ〜!止めっ!ヤだあ!い゛だい〜〜〜〜!!!」



「――ゴメンね、がまんしてて…―――
はあ気持ちイイ…」

――止まらなかった。



ヤってヤってヤりまくった。




――気が付くと聖ちゃんは失神していた。



我にかえり時計を見ると1時を過ぎている。




「ヤベ!ハム!!!」



めちゃめちゃ名残惜しさを感じつつ俺は慌てて豪邸を飛び出した。



電車に乗りながら写真撮るの忘れた事に気づき号泣したい位、後悔した。

――結局間に合わなかったが姉の義父さんがいたのでハムはなんとか渡せた。





――――はあ。

俺は小さく聖ちゃんが写る写真を見る。

――心も股間も…聖ちゃんでいっぱいだ。


――やっぱ写真じゃ…



満足出来ない。

―――――
………


決めた!

聖ちゃんを…
手に入れよう。




――俺は…
聖ちゃんが大好きだ!

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