《MUMEI》 そして更にこの双子は俺と同じ高校に同じく入学したばかりの一年生、という事だった。 「お前ら、俺とタメなのか…」 「わぁっわぁ///ドコのクラスなの///」 「……」 かなたという奴は目をキラキラさせながら俺を見つめていたが、はるかという奴はさっきから俺を睨んだままだった。 その後、かなたと仲良くなり、いつも会っているウチに当たり前のように友人以上の関係になり…今に至る、というワケだった。 「武、すご〜い!」 かなたの好きなUFOキャッチャーで欲しがっていた黄色いクマのぬいぐるみを取ってやると、かなたは大喜びしてピョンピョン跳ねていた。 = = = = = = = = = = = = = = = = 「ねぇねぇ、たけしーこっちに小さな香水いっぱいあるよ!!」 アイスのクレーンとかデッカいポッキーのとかがある中に、小さいサイズの香水が沢山並べてあるのを見つけた。 向こう側では派手な女の子と似たような男の子のカップルが、意地になりながらそれにチャレンジしてる。 「たけしのつけてるやつあるかなぁ…」 「何でだよ…お前は女用のがいいんだろ」 「ぅん…」 武からふんわりと香る爽やかな匂いと、武の男らしい匂いが大好き。 だからいつでも武の事思い出せるように、と思ったんだけど…。 = = = = = = = = = = = = = = = = 向こうのカップルがやたらイチャイチャしながらUFOキャッチャーをやっていたんで、こっちも対抗心が沸き上がってきた。 「…香水が、欲しいんだな」 「うん♪」 かなたに似合いそうな奥の方にあったわかりやすいくらいピンク色の箱を目指してクレーンを動かす。 「あっ、違うの〜あっちの水色の〜ι」 「えっ?」 急にそう言われ手元が狂うと、狙っていた手前でクレーンが止まってしまった。 前へ |次へ |
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