《MUMEI》

――――…その時…。



修羅場と化した診察室に、先ほどの初老の医師が戻ってきた。



医師は、中島の元に歩み寄ってゆく――…。



「故人のご主人様ですか?」


医師は淡々と問いかけた。



「――…故人―――…?

…カオリのことですか?」


中島は、妻を失った現実を実感できないまま、当たり前のことを問い返した。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫