《MUMEI》
過ち一つ
薬が効いてきて眠い。

床が硬いから枕に七生の鞄を使ってみる。

目を閉じると気持ちが落ち着く。






    ガタン

足音がする。
鞄を探しているようである。残念ながら俺の頭の下敷きだ。

気付いたようで俺の枕元……鞄だけど。に、正座している。

狸寝入りをしてみた。
覗き込んでいるのか、視界が暗い。

……何か言う訳でもなくただ、待っている。

長い時間に思えた。
苛立ちを隠せない。

散々放置しといて謝罪一つしないのか。

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