《MUMEI》

「雪合戦しよーぜ雪合戦!」
「こんな夜中にぃ?」
「夜中だからいーんじゃん!」
「情緒もクソもねぇな。ガキかお前は」
「へーんだ。つまんない男」

俺の冷たい返答に銀二は唇を尖らせて、自分ひとり雪の中を歩いていく。ぎゅ、ぎゅ、と体の重さで雪が固まる音を聞きながら俺も歩いていく。雪やこんこん、犬はこいつだ

「今日バイクじゃなくてよかったー」
「スリップしてんな確実に」
「新雪は大丈夫らしいけどね。なに、なおひろも徒歩?」
「そ。今日はこのまま大学も休み」
「ふーん」

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