《MUMEI》

そして…。

ほぼ裸で寝てるかなた。

「…ほとんど隠し撮りだな」
「いやιあの…」

そういえば、どの写真も目線がこっち向いてない!

俺が焦っていると、克哉さんが自分の携帯を出してきた。

「送れ」
「…はい」

「何?兄ちゃと赤外線通信してるの?」
「あ、かなた…ま、まぁな///」

双子が皿を一杯にして戻ってくると、不思議そうな顔をして俺たちの方を見ていた。

「よかった、兄ちゃと仲良くなってくれて♪」
「そうだな俺もうれしいよ、これからも宜しくな武君」
「は、はいι」
「……」

俺は克哉さんと正式にメールのアドレスを交換すると、今後も定期的に双子の様子を送る密約を交わしたのだった。


食事も済んで俺達は一緒に渡された鍵の部屋へと向かうと、どうやら克哉さんとは隣同士の別の部屋のようだった。

「そりゃそうだよな…」
「ベッド二つあるけど、一つでいいよね?」

と、かなたがアホな事を言い始めた。

「別…なんじゃねえの?」

そう言ってはるかの方を見ると、俺の方を睨んでから、かなたに向かってバスタオルを投げてきた。

「早くシャワーでも浴びて来いよ」
「はるちゃん…一緒に入る?」
「一人で入れるだろ」
「…うん」

はるかの奴、何を怒ってるんだろ…。

「俺と入るか♪」
「うんっ///」

不機嫌なはるかに代わり俺がかなたを誘うと、かなたは嬉しそうに答えて俺の手を握ってシャワールームへと引っ張っていった。

はるかの方にチラリと目を向けると、かなたに甘えられない自分を責めるように枕に顔を埋めて突っ伏していた。


「もう、そんなに触んなくっていいじゃんかぁ///」
「いいだろ〜寮の風呂より全然広いんだしよォ〜」

シャワーから出るとはるかの奴が部屋の壁に耳をつけて、隣の様子を伺っていた。

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