《MUMEI》

「ねぇ、胸、いくつ?」


「Bです、けど…」


「え〜?…どれどれ?」


「キャッ」


夏樹さんが私の胸を掴んでサイズを確認した。


「…Cかな?」


「えっ?」


夏樹さんの言葉に私は驚いた。


私の胸は、Bカップの筈だったから。


「おかしいな〜、私も揉まれてる筈なのに…」


夏樹さんは首を傾げながら自分の胸元を見つめた。


夏樹さんは長身で、スレンダーで、モデル体型で…


胸は、小さめだった。


バレンタインの準備を終えた私は、夏樹さんに誘われて、二人でお風呂に入っていた。


工藤家の湯船は、広くて二人でも余裕があった。


「明日、いや、今日は頑張らないとね」


夏樹さんは大きく背伸びをした。


商店街の旅行でも感じた事だが…


同性だからかもしれないが…


女性陣は、あまり…というか、ほとんど体を隠そうとはしない。


(私が意識し過ぎなのかな?)


私は堂々としている夏樹さんの隣で、正直、目のやり場に困っていた。


「ん? どうしたの?」


「あ、いえ…俊彦宛ての花束とか、で、忙しいんですか?」


私は、気持ちを隠す為に慌てて質問した。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫