《MUMEI》 「うん。火傷しないように気を付けて …飲ませて」 「え?」 冗談かと思ったが、俊彦は真剣だった。 「…飲み物にしたのって」 「この為に決まってるじゃん。 …そろそろ、いいかもよ?」 私は… 大きめのマグカップを選んでしまった事を、後悔した。 「ごちそうさま」 「…ッ…」 (疲れた) 慣れない口移しを何度も続け、気が付くと私の口の中もホットチョコレートで甘くなっていた。 「プレゼント…用意してきてくれた?」 「うん…一応」 私は俊彦から言われた『奇妙なプレゼント』を、『マリオネット』で購入していた。 (結子さんも不思議がってたっけ…) 『随分中途半端ね』 私は結子さんの言葉を思い出していた。 「持ってきて」 俊彦が私を抱き締めていた手を離したので、私は俊彦の太ももの上から降りた。 私は、台所の椅子に腰かけている俊彦に腰かけていたから。 そして、私はバックの中から、小さな紙袋に入ったプレゼント取り出した。 「うん、いい感じ」 それを受け取った俊彦は、満足そうに笑った。 前へ |次へ |
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