《MUMEI》
プレゼントの使い道
「ねぇ、それ、どうするの?」


「こうするの」


俊彦はそう言って、私がいつもしている俊彦にもらったネックレスより少し上の位置に


つまり、首に


プレゼントの


白いレースの付いたピンク色のリボンを巻いて、蝶結びにした。


(これって…まさか…)


昨夜夏樹さんに言われた言葉が頭をよぎる。


「これで、完成」


俊彦が、満足げに私を見つめた。


「…何が?」


「わかってるくせに」


俊彦は、そう言って、私を抱き締めた。


「俺が一番喜ぶプレゼントは…

蝶子に決まってるだろ?

今夜は…いっぱい…しよう」


「…いつも、してるじゃない」


私の言葉に、俊彦は笑った。


そして、背中にあるワンピースのファスナーを下ろし始めた。


「…俊彦」


「…ん?」


ワンピースが床にストンと落ちた時、私は、言い忘れた言葉を口にした。


「…誕生日、おめでとう」

「ありがとう。…愛してるよ、蝶子」


俊彦は、私のブラを外しながら言った。


『キャミソールは着ないでね』


その時、私は俊彦がわざわざそう言ったのは、首に巻いたリボンがほどけない為になのだとわかった。

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