貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い

《MUMEI》
月祭り
「おや、旅人ですかい」無空間の草原で、おじいさんに声をかけられた。
「えっ、まぁそうですけど」
沙羅は少し立ち止まって、おじいさんの方を向いた。

「月の村に行くのなら、わしが案内しましょう。地図からの入り口では今日は行けませんのでね」
「そうなんですか!?
じゃあ、お願いします。でも、何で…」

「月祭りがあるんでなぁ、入り口が使えんです」
「お祭りがあるの!?シャラ、行きたい!(五)」五が目を輝かせる。

他の三人も同様。
「うーん…まぁ、いっか…いいよ」

「やったーー!!(六&五&四&三)」
お供が歓声をあげる。

「じゃあ、行きますかい、こっちでんな」



「うわぁ、太鼓とかあるんですね〜」
かなり本格的だ。

「祭りは夜ですわい、観光客でいっぱいになる前に宿をとっておいたほうがいいでな。」
月の宿がオススメなんだとか。



「宿に荷物は置いてきたかな?」
「はい」
オススメの月の宿に泊まる事ができた。

「月祭りは、年に一度行われ、月に神が映るために神のご意志を読みとり、聖(ヒジリ)の国に星読みが報告するでな」
へぇー。

何だかすごいな〜。
「星読みとは、風や星、月などで神のご意志を読み取る聖一族の職でしてなぁ、わしも星読みの1人。…そなたは言霊術師であるな?」

何故それを!?
「何で……」
「風が知らせてきたものでな。月村の近くを通ると…」
星読みと言う事は、おじいさんも聖一族!

「言霊術師とは、もっと険しい人かと思っていたが、温和で未完成な少年だった。…旅人の術師に、月に出た神のご意志を見て、伝えようかなと………さぁ出ますぞ」
月の中心にもっとも明るい点が現れた。

意味はわからない。
「言霊術師よ、迷う事なき其の道を進み、見えぬものこそ見るがいい………こうでてるでな」
「見えぬものこそ見る………」
どういう意味だろう。


「後は月を見て楽しむでなぁ」




見えなかった、もの…………。
見えたもの………。

僕は、何かを見損ねたのかもしれない。



それは、何だろう







真実を
見損ねた?


言霊導〜短編番外〜
《月祭り》終

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