《MUMEI》

「何で俺には言ってくれないんだ……」

幹裕もショックみたいだ。足元が揺らいでいる。

「転ぶぞ」

俺は空いていた手を結んでやった。

「狡いや」

幹裕が恨めしそうに見た。
傍から見たら大の男三人が輪になってるという奇妙な情景だ。


「幹裕は弟だけど、もう子供じゃないんだよな。」

以前はそう言い聞かせても頭では分かってなかった。
今、幹裕は当時の俺よりも遥かに大人だ。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫