《MUMEI》 同性愛「やれよ、その仕事」 「え?」 「春日有希がやれば、見るのは若い世代だろ?いいきっかけになると思うけどな」 「そっか。人気のある人がやることで注目度も上がるし、理解を得られるってことか」 「……まあ一部からは批判とかあるかもしれないけど、そろそろ真正面からぶつかっていかないとな」 「ちょっとこれ、読んでみるよ」 内容は壮絶なものだった。親友に打ち明けたら、親友は受け入れてくれたものの、好きになった人に拒絶され、それが学校中に広まり、イジメ。 親友も守りきれない自分のふがいなさに自分を追い込んで自殺にまで踏み切ってしまう。 作者は親友を傷付けないように、親友から離れることを決意。 人とは深く関わらないような生き方を選択せざるを得ない、と思っていた作者の前に、あるひとりの人が現れる。そして考えが変わっていくという内容だ。 経験者が書いてることで真実味がすごくあり、ひきこまれてしまう。 …オレに何を求めているんだろう。 演技に正直自信はない。 でも仕事がくるってことは、それなりに評価されているんだろうな、とは思う。 『春日有希』になって、まだ日は浅い。 そんなオレにできるだろうか? 期待に応えられるだろうか? 受け入れられるだろうか? 前へ |次へ |
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