《MUMEI》

「お兄ちゃん…

…暇ならちょっと付き合ってよ…」


失意のどん底にいる僕に妹…ワカメが声をかけてきたのは、晴れた秋の日のことだった――…。



「なんだよ、ワカメ…

…僕は忙しいんだぞ…。」


「それは社長やってた頃の口癖でしょ?

…毎日、家で寝てる癖にぃ(笑)」



ワカメは強引に僕を揺さぶり起こすと、有無を言わさず玄関まで引っ張っていった。



―――…そこに居たのは…。

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