《MUMEI》
チョコレート効果
(携帯…の、音?)


今日は、休みだし、私は俊彦と過ごす日はアラームにはしていなかった。


…俊彦が、激しく私を求めるから、いつも通りには起きられないから。


今も、私は俊彦の腕の中だった。


(誰だろう…こんな朝早くに)


私は、起き上がろうとして…


「おはよう」


「キャッ」


俊彦に抱き締められた。


「お、起きてたの?」


「今起きた。 …携帯、蝶子の?」


「う、うん」


どうやら俊彦も携帯に起こされたようで、まだ眠そうだった。


「…出るね」


「仕方ないな」


私達はお互い仕事をしているから、どんな時でも携帯にはできるだけ出るようにしていた。


俊彦が手を離したので、私は裸のままバックから携帯を取り出した。


…台所にあったバックがここにあるのは、私が寝ている間に俊彦が持ってきたから…だろう。


ピッ


「もしもし」


《おはよう。ごめんなさいね、朝早くに》


「お、おばあちゃん?」


それは、間違い無く、祖母の声だった。


私は慌てて『おはようございます』と挨拶をした。


電話なのに、つい頭を下げてしまった。


《ケーキ、美味しかったわよ》

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫