《MUMEI》 母が待つ会場の遥か頭上。 鋭い青をなす空から雪が舞い降りてきた。 美しすぎた。 オレを含め叔母達も、 言葉を止めその光景にしばらく見とれていた。 何という偶然だろう。 空は依然として青色を残している。 散り散りになる陽射しを抜け、 白く輝く雪が頭上をかすめる。 幻想的な風景に心奪われる中、 オレは思う事を言葉にした。 「こういうの、 母親らしいね。」 美しく、幻想的で神秘的なシチュエーション。 何よりも母に似合っていた。 オレの母はそういう人だった。 前へ |次へ |
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