《MUMEI》

ずっと話しがしたかった。


このまま何時間でもこの場にいられたら。


何度も何度も感謝を伝えた。


「ありがとう」 と。


席に着き、目を閉じる。


住職の声が窶れた魂を慰める。


魂が分離する感覚を覚え、母との思い出がフラッシュバックした。

小学生の頃、

授業参観日は楽しみだった。


友人達はいつも羨ましがった。


自慢の母だった。


まわりの空気が華やぐ、


そんなエネルギーに満ちていた。


今でも、


自慢の母親だ。

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