《MUMEI》
磯野家の茶の間
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その後、僕は世田谷の豪邸を売却し、再びこの家に舞い戻ってきた…。


年老いた父さんと一緒に――…。



姉さんは、一度味を占めたセレブ生活から抜け出せず、マスオ兄さんとタラオを引き連れて家を出ていった。


しかしマスオ兄さんには悪いが、マスオ兄さんの収入では、姉さんの贅沢癖を満足させることは出来ないだろう。



5年前の花沢さんとの慣れ初めの一件以来、僕と姉さんとの間には確執があった。


だが今はもう過ぎ去った出来事として僕のなかでは払拭されていた。


姉さんが現実を直視し、身の丈に合った生活を送れるようになれば、いつでもこの家に戻って来てほしいと僕は願っている…。

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