|
《MUMEI》 聖龍高校のボールから試合が始まった。 ｢45チェックオッケー!!｣ ｢サイドオッケー!!｣ いい感じで声が出てるね。 聖龍高校のパス回し。 早い。 ラテラルパスあんな上手く使うのかよ… ラテラルパス。 ハンドボールにしかないパス技術。 手首のスナップから繰り出されるパスで、モーションが小さく、素早くパス回しをする際に有効的なものだ。 しかし、コントロールが難しい、スピードが出ない。 というデメリットもある。 素人がかっこつけてやろうとするが、ミスに繋がりやすい。 自信のある選手しか、使わないだろう。 この難易度の高いパスを難なくこなし、コントロール、スピードも申し分なくやってのけるあたりがやはり聖龍だ。 パス技術に長け、右利きの左サイドであったクロは、このパスを身に付けていたが、チェンジオブペースを武器としていたため、多様することはなかった。 選手全員がこのパスを多様してくるということは、攻撃の速攻性を重視しているのだろう。 と。 クロは予想した。 そしてその予想通りならば… ｢すぐ仕掛けてくるぞ!!ハンズアップ!!気抜くな!!｣ 予想通り… 仕掛けてきた。 ｢ポストだ!!｣ 素早いパス回しに惑わされ、注意がボールを持っている選手に集中してしまう。 ディフェンスの間を動き回るポストへの注意が瞬間的に消える。 ｢え!?｣ 何でそんなところに!? ディフェンスが気付いた時には遅く、ポストにパスが通る。 ｢ナイッシュー!!｣ 先取点は聖龍だ。 やられた。 前へ |次へ |
|
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |