貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》休息
「今日は野宿だね」
無空間は、神秘的な森の姿をしていた。
「あれ〜?沙羅御一行じゃんか。」
知っている声が聞こえた。
「あっ!おとぎ!!久しぶり〜」
知人と言うより、友達の同い年の少年。
これはかなり後知ったことなのだが、彼も聖一族の血を薄く継いでいたらしい。
彼も150才だが、見た目は15才なのだ。
「おー、お供元気かぁ〜?」
お供も彼の事は好んでいる。
「同じ旅人としては嬉しいもんだよなぁ!ははっ」
僕も嬉しい。
「この前オレ熊と乱闘したんだぜ。もぉ、さ、なんの為に熊を捕らえるのかって依頼人に聞いたらよぉ、村にも暴れでるとか言って……殺すんだとか言いやがった。
でも、行ったんだよ。
そしたらその熊、母親でさ、森にある餌が人間に捕られて食いもんがなくて村に出たんだと」
「で、どうしたの?」
おとぎの話は面白い。
「もちろん倒して村に差し出した。でもって
小熊も見せた。
で、オレはこう言った。お前らがこいつらの飯とるから仕方なく村にでたんだってな。
それからお互い仲良くやってるみたいだぜ」
「へぇ〜!おとぎかっこいいね!!」
おとぎは僕のちょっとした憧れだ。
「あー、やっぱナカマと久しぶりに話すと楽しいなぁ〜!!」
「あははっホント!」
「なぁ、沙羅。お前ら西に行くんだろ?
途中まで一緒に行こうぜ」
おとぎとも久しぶりだし、それもいいな。
「うん。そうしよう!」
それは
旅人の楽しみであり、
休息なのだ。
たまに会う事で、
お互いを知る。
旅人の休息
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