《MUMEI》 身代わり?「…は?」 …一生? 守る? 「おじと姪は結婚できないぞ」 「やだなあ父さん、前から言ってるじゃん。 『蝶子ちゃんの家族になりたい』だけだって」 「気付かないと思っているのか」 祖父の言葉に、光二おじさんの表情が変わった。 「蝶子は一子じゃない」 「わかってるさ!」 「キャッ!」 光二おじさんは突然私を抱き締めた。 「この目は、あの男にそっくりだ」 怯える私の顔を覗き込みながら、光二おじさんは吐き捨てるように言った。 「光二!やめなさい!」 祖母の言葉に光二おじさんは、首を横に振った。 「だって、母さん、見てよ。この唇は、姉さんの唇だ。…姉さん…」 「い…やっ」 「やめんか!馬鹿息子!」 バシッ! 「痛ッ! …やっぱ、仮病じゃん」 光二おじさんは、私から手を離して、祖父に殴られた頭を押さえた。 「何…だと?」 「体調なんか、血圧本当にヤバかったら、今ので切れるだろ、血管! それから、母さんも!」 「な、何よ」 祖母は明らかに動揺していた。 「携帯!返してやれよ!」 「…え?」 私は祖母を見つめた。 前へ |次へ |
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