《MUMEI》
読書
帰りの新幹線の中で、私は優馬さんの小説を読んでみる事にした。


私は、正直推理小説は苦手だった。


人が傷付いたり亡くなったりするシーンは、フィクションだとわかっていても、悲しくなってしまうから。

しかし、今回は優馬さんのおかげで私はこうして商店街に戻れる事になった。


私は、商店街が舞台になった新作ー


『疑惑の街』


を、意を決して読み始めた。


舞台は、私のよく知る商店街。


登場人物達の名前や店の名前も、微妙に変えているだけだった。


(これ、和馬…よね?)


物語は、『カズ』という男が…


無惨な姿で殺され、駅前の桜の木に吊されているシーンから始まっていた。


この、『カズ』は


金持ちで町長の父親の、金と権力を使い、『トシ』と『マサ』の靴屋を乗っ取り無理矢理店長になった。


…面白そうだからという理由だけで。


それから、女グセも酒癖も悪く、商店街で女性関係のトラブルや暴力沙汰が絶えなかった。


死んで当然の男だと、皆が思っていた。


商店街のほぼ全員が、容疑者となったが、全員にアリバイがあった。


しかし、微妙なアリバイで、互いにかばいあっているようにも見えた。

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