《MUMEI》 二度目の再会「ごめん」 「ひどい…」 「ごめんって」 「ひどいよ…」 俊彦は私の目の前でしゃがみこんだ。 俊彦と共に、私の迎えに来てくれていた商店街の人々は、そんな私達を見て笑っていた。 「いやぁ、笑わしてくれるね、いつも」 和馬の言葉に孝太は頷いた。 「そういえば…去年再会した時も、『感動』って感じじゃ無かったよね」 雅彦が思い出したように言った。 (確かに) 去年、私は俊彦を変態扱いしたうえに、暴力まで振るってしまった。 先程、互いの自己紹介を終えた優馬さんが、私達を見ながら、『自分の才能が怖い』と言った。 …私と俊彦が『こう』なっている原因は、優馬さんの作品にあった。 「ひどいよ。…久しぶりに会えた、第一声が 『犯人、誰?』なんて…」 「だから、ごめんて」 しゃがんだまま、涙目になっている俊彦が訴えるように、私は、優馬さんの作品の犯人が気になって… 『ただいま』の前に 『犯人、誰?』と言って俊彦の胸に飛び込んでしまったのだった。 ちなみに犯人は… 『コウ』で 『レイ』も共犯者だった。 前へ |次へ |
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